4月に相応しい花と言えば「桜」ですから、4月1日号の社長の一枚は、「桜」としました。
この写真は5年ほど前、岐阜県の山里にある小さな神社で撮影したものです。家族旅行でしたが、風景写真撮影も目的でした。最終宿泊地は岐阜城。岐阜に向かうべく初日はなんと関越道を北上。初めの目的地は十日町市の美人林。ブナが美しく、新緑のブナを堪能しました。午後からは松代へ、ここは棚田が美しく多くの風景写真愛好家が集います。一番の狙いは桜と水鏡。水田は田植えの前に水を貼り、2週間程度日光で水温を高めます。その時期と桜の開花が合えば、棚田の水鏡に写る桜を撮影することが出来ます。しかし年によって桜の開花と棚田の水張りの時期が微妙にずれ、かつ、サラリーマンは休暇の制約があり、ベストショットは難しい。散り始めた桜と水鏡の撮影後、夜は姨捨で夜景を撮影し、サービスエリアで車中泊。翌早朝に南木曽宿へ、人気の少ない宿場の街並みを撮影後、旧木曽森林鉄道の保存鉄道に向かう、そこから山を越え、高山経由で、最終目的地の岐阜城に向かう。家族旅行とは言え、「今回は気合を入れて風景写真を撮るぞ!」家族も分かったもので、『岐阜に行くのに何で関越を北に向かうの?』との疑問も口にはせず、家族は新潟経由岐阜行きの旅行を楽しみ、お父さんは車中泊を含め3泊4日の撮影行に気合を入れました。
この撮影行には目的がありました。旅行は5月です。その前月の4月にある大手不動産会社の役員へご挨拶に伺いました。その方とは長年のお付き合いで、私の写真好きもご存じ、挨拶の中で、「諏訪さん。桜の写真って持っていませんか?欲しいんだけど」「分かりました。持っていないので撮ってきましょう」とは言うものの『もう4月、どうするかな?』と思い浮かんだのが、本州でも山間部であれば、まだ山桜は咲いているかもしれないと、家族旅行の目的に桜の撮影が加わった。GWの旅行途中、木曽から高山に向かい順調に車を進めると妻が「お父さん、桜がきれい!」その一言で、Uターンし山里にひっそりたたずむ、神社の桜に出会った。その桜がご覧の一枚。本当にひっそりしている。グーグルマップで「岐阜県浅井地区神明神社」と検索すると当地が表示されますが、春先これほど美しい場所とは想像もできません。
早速、役員のところに桜の写真お持ちし、喜んで受け取っていただきました。後日その役員から「諏訪さんの写真、私の席の横にしっかり飾っています」とうれしいお話。この話はその先があり、当社が懇意にさせて頂いているある大手建設会社の営業ご担当が、この不動産会社の役員と同窓であることが分かり、それではと一席設け、関係を深めた。当然この写真の撮影裏話で宴席の幕が開いた。当社は不動産会社から直接仕事を頂くことはありません。建設会社が主たる得意先、不動産会社の役員と私の趣味で信頼が深まり、直接のお客様との関係も深まった。趣味が高じて仕事に役立てば、これほど楽しい事はありません。
仕事やお客様とは様々な縁で結ばれています。今回の縁は役員の「諏訪さん。桜の写真が欲しい」の一言で生ました。「すみません。私、花の写真は撮らないんです」と言えば、簡単だがこの話は生まれなかったでしょう。縁を大切にして広げることで自身の仕事にも幅と深みが出来、結果にもつながると思います。
「縁の大切さ」それが分かれば自身も成長する